盲学校の場所が変わってしまうということは、当事者にとってみれば大問題である。
「移転」の問題について、パブリックコメントとそれに対する委員会の考え方。
【意見等】
視覚障害者が町の中心地からより遠く離れた郊外へ通学しなければならなく、視覚障害者の生徒・教員の通学・通勤についてはどのような配慮がなされるのか。
移転すると一人で行けない。現在地は交通アクセスがよく、視覚障害者の歩行に適した設備が整備され視覚障害者が一人で安全に歩行できる環境である。移転予定先は交通アクセスが悪く、交通事故も多発しており、視覚障害者にとっては安全な場所とは言えない。
松山聾学校は、市内の中心部からかなり離れており仕事をしながら何とか調整をして送迎をしている保護者にとっては、遠くなる人が多く新たな負担が増える。
理療科教員は今後定年退職するものが多く、その補充をしなければならないが、四国の盲学校に赴任を希望するものが少ないうえに、盲学校が環境の悪い場所に移転した場合、さらに難しくなる。
【考え方】
松山聾学校はJRの駅やバス停も近く、周辺の道路等も急速に整備されてきておりますが、現時点では環境整備が十分ではない点もありますので、スクールバスによる通学手段や安全の確保への配慮は必要であると考えております。また、移転統合後は、周辺の通学環境の整備向上をすみやかに図っていくことは当然であると考えております。
【意見等】
盲学校は現在の生徒たちだけのものではなく、卒業生も今後の入学生も利用する。
卒業生は運動会や文化祭で活動できなくなる。
【考え方】
現在及びこれから入学する児童生徒のことを第一に考えるべきと思っております。卒業生には、移転当初は不便をおかけするかもしれませんが、慣れれば、これまでと同様に、利用していただけるものと考えております。
【意見等】
治療室が移動すると患者がいなくなる。職業過程(原文ママ)
である専攻科の教育の充実をはかる必要があり、鍼灸マッサージの臨床実習の機会を確保するためにも、交通アクセスの良い場所での教育が不可欠である。
【考え方】
周辺は新しい住宅地であり、道路も良くなり、今後も人口増加が見込まれるため、患者の確保に心配はないのではないかと考えております。
【意見等】
馬木町に移転後はこれまで緊密な連携がとれていた視聴覚福祉センターとの連携がとりにくくなる。久万ノ台校舎に松山聾学校が統合されることにより、聴覚障害の部門においても視聴覚福祉センターとの連携が可能になり、メリットは大きい。
【考え方】
学校敷地の広さや校舎の状況など様々な条件を考慮したうえで、現在の案にしたものであります。馬木町においても、視聴覚福祉センターとの連携が必要な場合は対応可能と考えております。
盲学校が立地している場所(久万ノ台)は松山市の中心部に近く、聾学校(馬木町)は中心部から離れている。
交通の便のよくない場所に移転すれば、通学しにくくなるという問題が生じる。
しかし、問題はそれだけではない。
これらの意見に現れているのは、盲学校は在籍中の児童生徒だけのものではない、という明快な主張である。
卒業生にとっても、治療室の患者にとっても、盲学校は大切な社会資源なのである。
「盲学校を現在地に存続させる会」は2007年9月に、移転に反対する5万8697人分の署名を県議会に提出し、さらにその後、全国的な署名活動を展開して、2008年4月21日、7万3916人分の署名簿と要望書を県教委に提出した。
6月11日、愛媛県教委は、当初の方針は変えないものの、現段階では関係者の理解が得られないことを理由として、2009〜13年度の再編整備計画案には盛り込まず、移転統合の時期について先送りすることを決定した。《参照・リンク》
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